最近、ルテインという名前をよく目にしませんか?
ルテインは目に良いと謳ったサプリメント、健康食品によく入っていますが、実際のところどんな効果効能があるかはあまり知られてないようです。
ルテインはPC、スマホのブルーライトが目に入ってきた時に効果を発揮して目の奥を守ってくれます。
この記事ではルテインの効果、効能、副作用や含まれている食品について説明します。
まずルテインとは何なのか?
ルテインは黄色の天然色素
ルテインは黄色の色素であり、カロテノイド(カロチノイド)の呼ばれる天然色素の一つです。
黄色の色素であることから、緑黄色野菜や豆、花、卵黄などに含まれています。
特徴として高い抗酸化作用を持っています。
[chat face=”danbo_r01.jpg” name=”やくひ” align=”left” border=”yellow” bg=”yellow”] カロテノイドは自然界で赤、橙、黄色など示す天然色素。
βカロテンなど○カロテンと呼ばれるものもカロテノイドの一種です 。[/chat]
ルテインは目など人の体内にも存在する
ルテインは人体の中では目(黄斑部、水晶体)、乳房、子宮頸部、皮膚、大腸に存在。
人体の中では特に眼の奥にある黄斑部にルテインが多く存在しています。
眼の黄斑部におけるルテインの働きの重要性
現代の私達はブルーライトを見続けている
目はまぶたを開いて起きている間、常に光にさらされています。
目に入ってくる光は様々ですが、過去にはなく最近特に増えているのがスマホやPCなどから入ってくるブルーライトです。
何故ブルーライトがことさら問題視されるかというと簡単に2点あげられます。
[box03 title=”ブルーライトの問題点”]
- ブルーライトの青色の光は強く眼に与えるダメージが大きい
- 電灯などと違い、スマホやPCの画面はブルーライトの光源を直接見て、光を目に入れている
[/box03]
ブルーライトは名前の通り青色の光で、波長の短い強い光です。
見た目が青くないので意識している人は少ないかもしれませんが、近年普及してきているLED照明に使用されている白色LEDがブルーライトを発しているのはご存知ですか?
それというのも、白色LEDの白色は、青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせて白色に見せているからです。
とはいえ、照明の光を直接見続ける人はいないでしょうし、そこまで心配する必要はないでしょう。
問題はスマホやPCのLED液晶の画面です。
液晶の画面を映し出しているバックライトは主に白色LEDを利用しています。
白色LEDは青色LEDを黄色の蛍光体で白く見せているもの。
ということは、
私達が画面を見ている目に向かってブルーライトが入ってきているということになります。
ここで、目に入ってきたブルーライトから私達を守ってくれるのがルテインです。
ルテインは眼球内のサングラス
ここで色の性質の話になりますが、黄色には青色を吸収する効果があります。
そして、前の項でお話したようにルテインは黄色の天然色素です。
つまり、目の水晶体や黄斑部に存在する黄色色素のルテインがサングラスのような働きをして、目の奥まで入ってきたブルーライトを吸収、遮断することで網膜や黄斑部へのダメージを軽減してくれます。
また、強い抗酸化作用のおかげで、目の細胞が光による酸化ダメージを受けるのを防いでくれます。
ルテインは加齢黄斑変性の予防に効果あり
加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性の日本眼科学会による説明です。
加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。
加齢黄斑変性は一般には馴染みの薄い病名かもしれませんが、欧米では成人の失明原因の第1位で珍しくない病気です。
日本では比較的少ないと考えられていましたが、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。
50歳以上の人の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられます。出典元:日本眼科学会
近年、テレビCMなどで急激に目や耳にすることの多くなった加齢黄斑変性ですが、背景には急激な患者の増加があるようですね。
加齢黄斑変性の症状としては黄斑が変化することで、ものが歪んで見えたり、視野の中心が暗くなったり欠けることによる視力の低下があげられます。
ルテインが加齢黄斑変性の予防に効果があるとされる理由
黄斑色素はルテインとゼアキサンチンからなり,視細胞に有害な青色可視光に対するフィルター効果と活性酸素を消去する抗酸化作用を持つ。
疫学調査からルテイン,ゼアキサンチン摂取の多い個体は加齢黄斑変性の発症率が低いことが示唆され,さらに直接的な発症予防効果も検討されている。
従来は困難であった生体眼での測定も複数の方法が考案され,今後は黄斑色素と加齢黄斑変性の関係がさらに詳細になると思われる。
この医学雑誌に記事によると、ルテインが加齢黄斑変性に予防効果があると考えられる理由は2点あります。
一つは前項で書いたように、ルテインが黄色色素であることからサングラスのようにブルーライトに対するフィルターになること。
そして、ルテインが持つ高い抗酸化作用は視細胞がダメージを受けることで発生する活性酸素を消去してくれるということがもう一つの理由です。
これらの理由からルテインが加齢黄斑変性の予防に効果があると考えられるわけです。
それじゃ、ルテインは体の中にあるんだから特に何もしなくていいのでは?
ところが、そうは行かないんですね…。
ルテインは体内で作られない
前にも書きましたが、ルテインは眼(黄斑、水晶体)や皮膚、大腸などに存在します。
ところが、ルテインは人の体内で自ら作り出すことができない上に、歳を取る事に体内から減少していきます。
そのため、体内で作られないルテインは食物から摂取して補給するしかありません。
ルテインを多く含む食品
緑黄色野菜
- ケール
- ほうれん草
- パセリ
- ブロッコリー
- かぼちゃ
- レタス
- 芽キャベツ
- 青梗菜
- 大根の葉
その他の食品
- 卵黄
- 野沢菜
- そら豆
- ピスタチオ
- 柿
ルテインを効果的に摂取する調理法
ルテインは脂溶性、つまり油に溶けやすい性質を持っています。
緑黄色野菜などの食品からルテインを摂取する場合、油を使った炒めものなどの料理に調理したほうが効果的に体内に吸収されます。
[chat face=”danbo_r02.jpg” name=”やくひ” align=”left” border=”yellow” bg=”yellow”] よくほうれん草と玉子の炒めモノを作るんですけど、目に良かったんですね! [/chat]
[chat face=”danbo_r01.jpg” name=”やくひ” align=”left” border=”yellow” bg=”yellow”] サプリを飲むときも、油料理を食べる前後のほうがいいのかな? [/chat]
ルテインに副作用はあるのか
10年以上前に一例だけ問題あり
62歳女性(日本)がルテインを毎日、2年間摂取(摂取量は不明)したところ、柑皮症を発症したという報告がある。
被害事例に柑皮症の発症があるが、摂取量が不明で因果関係が考察しにくく、また、摂取中止後約2ヶ月で治癒していることから(※)、軽微な1症例と考える。自社製品の流通及び公的なデータベースの内容を合わせて考えると、通常の摂取において問題はないと考える。
※日本皮膚科学会誌2005年115巻11号1655ページ「サプリメント「ルテイン」による柑皮症の1例」
調べた限りでは2005年の学会誌に載せられた一例だけのようです。
上記の小林製薬の見解では、摂取量が適量か過剰摂取だったのかも不明で、因果関係もはっきりしないことから、通常のルテイン摂取においては問題ないだろうということです。
[chat face=”danbo_r01.jpg” name=”やくひ” align=”left” border=”yellow” bg=”yellow”] なにごとも適量が一番ですよ [/chat]
事実として、10年以上前のこの一例以外にはルテインの副作用と思われる話は見つけられませんでした。
まとめ
ルテインについてまとめると、
- カロテノイドといわれる黄色の天然色素の一つ
- ブルーライトから目の奥を守るサングラスの役目をしてくれる
- 高い抗酸化作用で目に生じる活性酸素を消去
- 加齢黄斑変性に予防効果
- 体内では作られないから食品から摂取するしかない
- 緑黄色野菜に多く含まれている